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心が疲れてしまった日に読みたい本

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『살아있으니까 귀여워』
生きているから可愛い
作/조제 
13,000₩

 

“사라지고 싶은 날, 살아지게 하는 책”
消えたくなってしまった日、生きる力をくれる本

 

本の表紙下にタイトルとは別に書かれている一文です。少々意訳をしましたが、この一文を見て手に取った本です。誰でも人生で一度は「消えてしまいたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。長らくこの気持ちに悩まされ、まさに今この瞬間も苦しみ闘っている人はいると思います。実際、著者も長い間うつ病に悩まされており、自身の心の治療として、日常の些細なことをやり遂げた自分へ「よくやったね!」という言葉で賞賛するSNSを日記の様に投稿をし続けたところ、多くの人々に共感を得て、書籍化に至ったとのことです。

 

・朝ベッドから起き上がったこと
・顔を綺麗に洗ったこと
・ご飯をしっかり食べたこと
・カフェでコーヒーを飲んで気分転換したこと
・花を綺麗だと思って買ったこと

 

何気ない行動一つ一つに「よくやったね!」と自分に語りかけてあげるのです。

 

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かく言う私も、著者に近い症状に悩まされていた時期がありました。家庭環境で問題が起き、それでも休むことなく必死になっていたら、いつの間にか自分を見失い、楽しいことや幸せなことが思い出せなくなってしまいました。自分の心をコントロールできなくなり、そんな自分を責めては落ち込む日々。そんな時に訪れた韓国で、書店にあるベストセラーのコーナーを見かけた時、メンタルヘルスに関する本がほぼ上位を占めていることに驚きを隠せませんでした。

 

『나는 나로 살기로 했다』私は私のままで生きることにした
『하마터면 열심히 살 뻔했다』うっかり一生懸命生きるところだった
『죽고 싶지만 떡볶이는 먹고 싶어』死にたいけどトッポッキは食べたい

 

日本でも有名になった本のタイトルです。これらの本を知らない人でも、タイトルだけ見れば内容は見当がつくかと思います。生きているだけでも素晴らしいことなのに、周りと比較しては自信を失くしたり、他人からの視線や評価が気になって生きづらくなったりしたことは、誰にでもあるはずです。最近はこの生きづらさから、自分らしく生きることができなくなっている人が多いせいか、このような書籍が注目を浴びたのではないかと思います。

 

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『살아있으니까 귀여워』もそんな疲れ切ってしまった人々に、自分を責めないで褒めてあげようと、まるで味方のように寄り添ってくれる本です。本は短い文章と可愛らしい絵で構成されていて、文字を読む気力すら失くしてしまった人でも、肩の力を抜いて読むことができます。

 

日本にも似た内容の本はあるのに、何故韓国なのかと思う人もいるかと思います。私の場合、日本で類似の本は読んだことがありますが、韓国でも同じような心を抱えている人がいることを知った瞬間、国を越えた「人」としての感情に共感したからです。そして実際、私もこの本を通じて、些細なことでも自分を褒めること、自分らしく生きることを学び始めました。潰れてしまった心を温めて、明日を生き抜く力をくれるはずです。

 

“살아있는 나를 응원하는 한 권의 칭찬책이 당신의 작은 피난처가 되기를 빕니다.”

生きている私を応援する一冊の賞賛本があなたの小さな避難所になりますように。

 

著者の想いが伝わるお気に入りの一文です。