こぐまぶっく

韓国ニュースと韓国お役立ち情報を紹介

7000ウォンの炎症薬がコロナ治療薬になるか?

f:id:lemon751231:20200618002128j:plain

 

炎症の治療などに使用するジェネリックステロイドであるデキサメタゾン(dexamethasone)が新型コロナウイルス重症患者の死亡率を大幅に下げるという試験結果が出た。

 

16日(現地時間)ロイター通信によると、イギリスのオックスフォード大学研究チーム主導で科学者たちは「リカバリー」(RECOVERY)という名の大規模臨床試験を行った。研究チームは、コロナウイルス入院患者のうち、2000人に少量のデキサメタゾンを治療薬として投与した後、投与されていない4000人の患者と比較した。その結果、デキサメタゾンを投与された重症患者の死亡率が激減したことが分かった。

 

酸素呼吸器を使用している患者の死亡リスクは28~40%、その他の酸素療法を受ける患者の死亡リスクは20~25%減少すると分析された。また、コロナウイルス患者20人のうち19人は入院なしで好転し、入院した人でも、ほとんどが酸素呼吸器などの助けを借りず完治したと伝えた。特に、状態が悪化し酸素呼吸器などが必要な患者にデキサメタゾンを使用すると、効果を見ることができることが分かった。

 

研究チームは、イギリスでコロナウイルス発症初期からデキサメタゾンを使用した場合、最大5000人の死者を減らすことができただろうと推定した。

 

これにより研究チームは、デキサメタゾンを早急にコロナウイルス患者の治療に活用すべきだと主張した。研究チームを率いたオックスフォード大学マーティン・ランドレイ教授は「酸素呼吸器などをつけた患者がデキサメタゾン治療を受けた場合、命を救うことができる」とし「驚くほどの低コストで可能である」と述べた。

 

イギリスの専門家たちは、この治療法がコロナウイルスとの戦いで「主要な突破口(breakthrough)」になると予想した。また、イギリス政府は、コロナウイルス感染症の患者にこれを治療薬として使うことに決めた。

 

これと関連しジョンソン首相はこの日の記者会見で、臨床試験の結果について喜びを語った。「イギリス科学者によって最も大きな突破口が見出されたという点が誇らしい」とし「この薬は、国民保健サービス(NHS)で利用可能である」と述べた。それとともにコロナウイルス第2波に襲われても、十分な供給量を確保できるように政府が措置を取ってきたことを説明した。

 

この薬は、イギリスで5ポンド(約7600ウォン)で購入することができる。デキサメタゾンは価格が安く、貧困国でも広く使用が可能と研究者は伝えた。

 

イギリス政府の発表について、世界保健機関(WHO)も積極的に呼応した。WHOはイギリスがステロイド製剤によって33%以上の命を救ったことについて「科学的躍進を見せてくれた」と評価した。また、WHO事務総長は「非常に優れたニュースとして、イギリス政府にお祝い申し上げたい」とし「オックスフォード大学病院、そして試験に参加した多くの患者にも感謝している」と述べたとAFP通信が報じた。