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韓国の所得税が最高税率に…北欧3ヶ国さえ超えた

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文在寅ムン・ジェイン)政権で3年ぶりに所得税最高税率が5%も引き上げられ、韓国は世界で有数の高税率国になった。「スーパー与党」が迎える国会で、抵抗なく政府案が通過すれば、韓国の名目最高税率は、経済協力開発機構OECD)7位まで上昇する。地方税などを合算すると、所得税率が代表的福祉国家である北欧ヶ国(スウェーデンフィンランドノルウェー)を追い越す水準だ。

 

政府は、2020年度の税法改正案で所得税最高税率を、現在の42%から45%に上げることにした。所得税率引き上げの影響を受ける課税標準10億ウォン以上の高所得者は、2018年基準で1万6000人にのぼる。分離課税される譲渡所得税を除いて、労働・総合所得税だけで課税標準が10億ウォンを超える納税者は、このうち1万1000人(上位0.05%)程度である。税収収入は年間9000億ウォンに増える見通しだ。

 

既存の税率だけでOECD上位に位置していた韓国は、今回の改正案を通じて、名実共に超税率国に分類される見込みである。OECD国の中で韓国より名目最高税率が高いのは、オーストリア、オランダなど欧州6ヶ国だ。地方税を含めると、韓国の所得税率は49.5%まで増えるが、これは、代表的福祉国家である北欧3ヶ国の算術平均である48.8%すら超える数値だ。世界銀行によると、韓国の名目国内総生産GDP)は昨年で世界12位を記録し、2018年から2ランク下がった。1人当たりの国民総所得(GNI)は30位を維持した。国民所得と生産性は後退したり戻ったりの繰り返しにもかかわらず、税金はすでに先進国水準なのだ。

 

政府がこれまでの慣例を破り、税法改正案を通じて税率引き上げを発表しただけに、衝撃はかなり大きい。通常の所得税率引き上げなどの大型税制改編は、数ヶ月の公論化過程を経て立法がなされる。政府が発足直後に断行した所得・法人税引き上げも同様の手続きを経ていた。文在寅ムン・ジェイン)大統領は候補時代から、高所得者の課税強化・法人税最高税率の引き上げなどを公約に掲げており、執権直後から与党の主要人物が着実に税率引き上げの意志を明らかにしながら、世論の反応を伺っていた。当時、ねじれ国会構図に置かれていたことに加え、民主党がこのように細心の調整過程を経た後、政府は所得税最高税率2%、法人税最高税率3%を引き上げる税法改正案を出すことができた。

 

一方、今年の所得税増税案は、世論の検証がなされないまま177議席の巨大与党が待つ国会に向かう。野党関係者は「与党が常任委員会を独占する過程で見せた態度を勘案すれば、所得税最高税率引き上げをめぐり、国会で意味のある議論が行われることを期待するのは難しい」と伝えた。最高区間の税率増加幅は、今回の改編が大きいにもかかわらず公論化の過程が省略されたわけだ。

 

政府は急いで所得税率引き上げを強行した理由について「今年第1四半期1分位世帯(下位20%)の勤労所得が3.3%減少し、所得分配が悪化する問題が続いた」とし「コロナウイルス危機克服のための社会的連携強化一環」と説明した。高所得者の所得を拠出して庶民・中産層を支援するというのが政府の説明だが、庶民・中産層税負担が本当に減ったかどうかは疑問である。