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韓国社会「無限競争に疲れ…自己啓発が流行?」

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スペックの時代から自己成長の時代へ

 

これまで「スペックを積む」ことにひたすら没頭していた韓国社会だが、今は「アップグレード作業」に切り替えようという動きが見られている。

 

ソウル大学消費トレンド分析センターは、「トレンド・コリア2020」を通じて、2020年を代表するキーワードの一つとして「オプグルインガン(업글인간)」を紹介した。オプグルインガンとは、“アップグレード”と“人間”の合成語で「昨日よりも良い自分のために、絶えず自己成長を追求する新しい人間像」を意味している。

 

オプグルとスペックは、自己成長を図るという部分においては共通点が見られるが、その過程と目的においては差が見られる。オプグルは自分の職務や学業などに関係なく、自分の日常や習慣を自律的に成長させる行動を意味する。これはピラティスなどの運動から、絵を描いたり読書会をしたりするなど、さまざまな分野にわたっている。一方、スペックは自分の職務や学業などの分野で、ライバルに比べて高い地位に上がるための「打率的な成長」を意味する。

 

専門家は、スペックを抑えてオプグル現象が浮かび上がった背景について、さまざまな理由を提示している。まず、韓国で週52時間勤務制が導入されることによって「オプグル活動」のための余暇時間が確保されたという点である。また、ワークライフバランス(仕事と私生活のバランス)を重視する社会風土も、個人のオプグル活動負担を減らしたという分析だ。

 

また、社会の多様化に伴い、「熱心に勉強すれば成功する」という単純な成功の秘訣が崩れたという指摘と、韓国社会が本格的な高齢化社会に突入し、生涯全体の自己成長を重視し始めたという声も出ている。

 

成人男女64.5%が自身を「自己啓発型人間」と認識

 

韓国社会で自分自身をオプグル人間だと思っている人も多いことが分かった。就職専門ポータルサイトのジョブコリアとアルバモンが実施したアンケート調査によると、回答者全体の64.5%に相当するこれら自身を「オプグル人間」であると述べた。世代別では▲20代60.7%、▲30代69.0%、▲40代以上68.6%であることが分かった。

 

特に成人男女83.9%は、今後「オプグル人間トレンド」が拡散すると予想しており、その理由としては、小確幸(小さいけれども確かな幸せ)など、幸せへの価値観の変化(34.3%)だという回答が最も多かった。

 

また、▲週52時間勤務制によるワークライフバランスを追求する社会的変化(18.2%)▲普通の人の成功が徐々に難しくなる社会構造(16.8%)▲経済豊かさより生活の質的水準を高めようとする欲求の増加(15.6%)▲高齢化社会での生活とキャリア管理のパラダイムシフト(14.9%)などが続いた。