自分だけの1冊が見つかる！独立書店の魅力

近年、日本語に翻訳された韓国書籍が販売され、日本の書店では韓国書籍のコーナーを見かけることもしばしば。国を超えた同世代の人々の生き方や感情が共感を得て、受け入れられていることが伺えます。それでは、みなさんは、実際に韓国で書店に足を運んだことがありますか？韓国旅行リピーターや韓国語学習者ならば、教保文庫や永豊文庫などの大型書店は訪れた経験があるのでは。そこで今日ご紹介したいのは、知る人ぞ知る「独立書店」です。

韓国の独立書店とは？

独立書店とは、個人経営の書店を意味しています。大型書店でも見かける人気書籍はもちろんですが、大型書店には取り扱いのない、こだわりの一冊が置いてあることが魅力です。店主のセンスで本がセレクトされているため、文学やエッセイを始め、洋書やデザイン書まで、ジャンルは多種多様です。一緒に文具や雑貨まで販売されている場合が多く、本以外の楽しみもたっぷりです。

誰もが読んでいるベストセラーではなく、他の人とは違う「自分だけの一冊」を探すことができることから、韓国では独立書店が人気を博しているようです。ただし、大型書店のように、ジャンル別に本が並んでいる訳ではありません。お目当ての本を検索機で調べて、位置や在庫を確認することもできません。実際、ふらりと立ち寄って、目に留まった表紙やタイトルの本を手に取る、という人がほとんどでした。中には、カフェがアパレルショップが併設されていることもあり、書店と言うよりも、店主こだわりの店にこっそりお邪魔するようなワクワクした気持ちになります。ここでは私のおすすめ独立書店と行ってみた感想をご紹介します。

THANKS BOOKS (땡스북스)

本の数が豊富です。私はお目当ての本が見つからなかったため、スタッフの方に尋ねてみたところ、その場ですぐに返事して下さいました。親切で丁寧な対応だったので、見つからない時は気兼ねなく声をかけてみて下さい。本だけでなく、韓国の人気イラストレーターによる雑貨や、海外から輸入した雑貨なども取り揃えてありました。椅子も置いてあるので、気になる本を読んでみることもできますよ。

THANKS BOOKS (땡스북스)
서울특별시 마포구 양화로6길 57-6
02-325-0321
12:00~21:00

YOUR MIND (유어마인드)

閑静な住宅街にあり、本当にここなのだろうかと思いながら入ったお店です。大きな一軒家を改装したようで、1階がカフェとアパレルショップ、2階がYOUR MINDになっていました。一軒家の門をくぐって、大きな庭から階段を登るので、隠れ家に行くような気分になります。店内はとても小さいですが、魅力的な本で溢れ返っています。他では買えないような、韓国のクリエイターによる雑貨も販売されていて、目移りすること間違いなしです。私が訪れた時は、平日にも関わらず次々とお客さんが来店していて、人気の高さを実感しました。

YOUR MIND (유어마인드)
서울특별시 서대문구 연희동 132-32, 2F
070-8821-899
13:00~20:00 (定休日:火曜日)

実際に購入した本をご紹介

本は重さが難点ですよね。いつか、荷物の重量制限を考えず、思い切り好きな本を購入してみたいものです。どのお店でもあれもこれもと目移りしてしまいましたが、何とか絞り込んで購入したのがこちらの1冊です。

『매일의 귀여움』
毎日の可愛いもの
作／전슬기
12,000₩

作者が共に暮らす犬と猫との日常を空想も交えながら描かれた本です。絵のみで構成されているので、感性だけで楽しむことができます。何と言っても、可愛らしさと哀愁漂う絵が魅力です。そして、小さな絵にも関わらず、世界観とストーリーを十分理解できるところ。思わず笑顔になれる一冊です。ふとした時に開いて癒されるのもいいですが、韓国のカフェや雑貨店のように、お気に入りのページを開いてインテリアのように飾るのもいいかなと計画中です。

最後に

韓国書籍とは言っても、小説やエッセイなどの韓国語能力が必要とされるものから、漫画や絵のみの本もあります。また、韓国の表紙デザインはシンプルさの中に洗練や可愛らしさが感じられるものが多く、表紙デザインの誘惑も。人気のイラストレーターが手がけた表紙も多く、本という枠を超えてアートのような印象も受けます。

その日の自分の気分で探してみたり、表紙だけを見て買ってみたり、ちょっとした出会いのような楽しみを味わえることが、独立書店の魅力と言えます。日本の書店で見かけて韓国書籍に興味を持った人、韓国旅行で新たな楽しみを探している人、韓国雑貨やカフェが大好きな人には、絶対おすすめです。自分だけの1冊を見つけて下さいね。