こぐまぶっく

韓国ニュースと韓国お役立ち情報を紹介

韓国物流センターで「また」コロナ感染者発生

f:id:lemon751231:20200616012103j:plain

 

収束したように思われた物流センター発の新型コロナウイルス感染の悪夢がよみがえった。韓国の松坡ロッテ宅配物流センターでコロナウイルス確定者が発生した。物流センターは、これまでも勤務環境上、コロナウイルス対応が脆弱であるとの指摘が多かった。京畿道の富川クパン物流センターで約150人にも及ぶ確定者が発生した事例があっただけに、集団感染の懸念が巻き起こっている。

 

15日、ソウル松坡区とロッテグローバルロジスによると、松坡ロッテ宅配物流センターで勤務していた中国人男性のA氏(55)が13日、コロナウイルス確定判定を受けた。A氏は、先に確定判定を受けていた、始興市19番目確定者の家族だ。彼は8日から痰などの症状が現れたことが分かった。また、8日午後4時~9日午前8時30分、9日午後5時30分~10日午前7時30分まで、物流センターで荷物の積み込み作業をしていたことが分かった。

 

家族感染(推定)から職場感染へと拡大する可能性がある。この時間一緒に勤務していた従業員は159人であり、現在全従業員が検査を受けている。A氏が勤務中にマスク着用していたかどうかは確認されていない。

 

物流センターは「コロナウイルス拡大震源地」に選ばれた。従業員の多くは、複数の職場で働く、いわゆる「副業」または「日雇い」である。複数勤務地を経て、不特定多数の人が交わることから、コロナウイルス感染の危険性が相対的に大きい。以前、集団感染の地となったクパン物流センター確定者の多くも、副業または日雇い労働者だった。A氏も松坡ロッテ宅配物流センター協力会社で日雇いとして勤務していたことが分かった。

 

労働環境も大きな懸念の一つだ。物流センターは、主に夜から早朝の間にタスクが行われるが、この時間帯の勤務者のほとんどが日雇いある。メーカー側で安全教育をしても、慣れない仕事に集中するしかない一時的労働者は、防疫を疎かにしてしまう。

 

通勤バスも問題だ。一時的労働者は45人乗りのバスに乗り、居住地の拠点と物流センターを行き交う。ここで密接な接触が起こる可能性が大きい。また、最近の猛暑までが重なり、はるかに劣悪な状況になった。「コロナシールドマスク」の着用はもってのほかだ。

 

常温商品を扱う物流倉庫では、労働者が暑さの中での作業を強いられるため、マスクの着用は容易ではない。1日に数十回配送先と車を行き来する宅配ドライバーも同じだ。去る10日、東南圏物流センターで会ったハイチの出身20代男性労働者は「暑すぎる」と嘆いた。商品分類を担当する彼は、マスクを使っていなかった。マスク未着用の理由を尋ねたところ、彼は「あまりに暑くて息苦しいため」と答えた。

 

宅配ドライバーのカン氏(33)も「マスクを着用したまま荷物を運ぶことは不可能だ」とし「荷物を運ぶと息ができなくなり、最終的にマスクを脱ぐことになる」と語った。強い冷房の中で作業をする冷凍物流倉庫勤務者もマスク着用が容易ではない。眼鏡をかけた労働者はマスクを使うと眼鏡が曇ってしまい、作業自体が困難になるからだ。

 

防疫当局は、このような状況を考慮し、企業の先制的措置を要求している。中央災難安全対策本部総括調整官は「事業場内の消毒と換気を徹底してほしい」とし「コロナウイルス防疫において、目の前の追加費用よりも、集団感染が発生した場合の企業の信頼低下と、企業全体が危機に陥るという教訓を留意してほしい」とした。