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韓国・文大統領就任3周年講演「全国民の雇用保険を推進」

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国家プロジェクトとして雇用創出推進

 

韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領が新型コロナウイルス感染症による雇用危機克服のために「全国民の雇用保険」を推進するという計画を明らかにした。文大統領はまた、疾病管理本部を病気管理庁に格上げし、感染症の専門病院と国立感染症研究所を新設し防疫システムの強化に乗り出すことも発表した。

 

文大統領は10日、大統領府春秋館で行われた就任3周年特別演説で、「すべての就業者が雇用保険給付を受ける“全国民の雇用保険の時代”の基礎を置く」とし「まだ登録されていない低賃金の非正規職労働者の雇用保険登録を早急に推進し、特殊雇用労働者、プラットフォーム労働者、フリーランサー、芸術家などの雇用保険死角層を迅速に解消していく」と述べた。全国民の雇用保険を通じて雇用のセーフティネットを強化するという意味だ。

 

文大統領はまた、コロナウイルスによる雇用減少などに対応するため「韓国版ニューディール」を国家プロジェクトとして推進すると述べた。文大統領は「韓国版ニューディールは、デジタルインフラを構築する未来先取り投資」と「5G(第5世代)インフラの早期構築とデータの収集、蓄積、活用をするデータインフラ構築を国家的事業として推進する」と述べた。さらに、都市、産業団地、道路など老朽化社会間接資本(SOC)の拡充にも言及した。建設、土木分野SOCを介して雇用創出に乗り出すことを意味する。

 

コロナウイルスを契機とした防疫システム改善計画も明らかにした。文大統領は「疾病管理本部を病気管理庁に昇格して、専門性と独立性を強化する」とし「国会が同意する場合、保健福祉部に複数次官制度を導入するつもりだ」と述べた。また、感染症専門病院と国立感染症研究所の設立も推進するという意志を明らかにした。

 

さらに、ソウルの梨泰院クラブで始まった集団感染についても言及し、防疫活動に対する警戒心も要請した。「我々はコロナウイルス前の状態に戻ったわけではない」とし「今回のナイトライフ集団感染は、たとえ安定化段階といっても、人が密集する密閉空間であれば、いつでもどこでも同じような状況が発生することがあるという警戒心を悟らせてくれた」と述べた。続いて「完全に終わるまで終息したとは言えない」とし「最後までいっそう警戒し、防疫の紐を緩ませてはならない」と述べた。

 

南北間でできることを見つけていく

 

一方、南北および北米状況について「今は疎通が円滑な状態ではない」と述べながらも「疎通は絶えることなく、続いている」と述べた。続いて「南北間にも北米間にも、お互いの信頼と対話の意志を確認している」と説明した。

 

それとともに文大統領が提案した、独自の南北交流協力は継続して推進していくと述べた。「北米対話が当初の期待とは異なって低迷状態にあり、いつ成果を出すことができるかは見通しがつかない状況」とし「今は北米対話だけではなく、南北間でも行うことができることは、見出していきたい」と述べた。

 

最後に、南北鉄道連結や北朝鮮の個人観光などの従来提案について「有効である」と述べながらも「ただ、北朝鮮がまだ呼応していない状況だ」と語った。文大統領は「コロナウイルスが終息次第、我々の提案が北朝鮮に受け入れられるよう継続的な対話を通じて説得していく予定」と話した。